血液検査で色々な病気がわかる

MENU

私の母が実際に血液検査をすることで判明した病気と治療の経緯、体験談です。
日常の生活をしていく中で、習慣的になっていて、見過ごしがちな症状を軽い気持ちで放置していると、自分では想像さえしなかった病気に冒されていることもあるのです。
特に仕事を持つ人は、勤務先に休暇を申請するのを遠慮して、つい病院に行くのが遅れてしまう事もあります。

 

でも、仕事が大事だからと言って健康を害してしまっては元も子もありません。
まずは自分の健康が第一、健康な体があってこそ働くことができるというのは言うまでもありません。

 

ただ、わかっていても、自分の事となるとつい我慢をしてしまい、周りに相談することもなく症状を放置してしまうこともあります。
私の母も仕事が忙しく、職場の人員も少なかった為、休むことを言い出せず辛くても我慢し続けることで状態が悪化してしまいました。
もし、あと少し病院に行くのが遅れたら、最悪の事態になっていたかも知れません。

 

病院に行くこと。
検査に行くこと。
忙しいとつい面倒くさい、時間もかかる、ひとりでは行くのが怖い、など行かない言い訳はいくらでもあります。
でも、自分の事を大事に思って、心配してくれる人のために、病院で検査を受けることは絶対に必要です。






 

腹部に違和感、まず婦人科で血液検査

私の母は小さな個人経営店の総菜部門でパート勤務をしていました。
年齢は60歳オーバーです。
朝8:00から夕方17:00まで、ずっと立ちっぱなしの仕事ですが、総菜の仕事は他店舗も含めて15年以上の経験があり、自分でも慣れている為、さほど苦にはなっていなかったようです。

 

ただ60歳を過ぎたあたりから、慣れた仕事でもやはり翌日には回復しきれない疲労を感じることが多くなります。
忙しいときには深夜の2時に出勤して、そのまま夕方まで勤務ということもありました。
そんなときは週1回休めれば良い方で、10日ほど休みなしで働くこともあります。
総菜部門のパートは少人数で、何か用事がある時でも、休暇を申請すると嫌な顔をされるので母もずっと遠慮していたそうです。
でも、60歳を過ぎた、特に資格も持たない主婦が働けるところは限られているし、少しくらい辛くてもここで頑張ろう。
そう思いながら、我慢し続けていた頃に、体に変調をきたします。
私は母とは別で生活をしているので、仕事の詳細やどれほど疲労が溜まっているのか等、体調の変化については気づいてあげられませんでした。
体調の変化というのは、浮腫(むくみ)です。
今、思い返してみると、たしかに顔もむくんでいたのだとわかるのですが、当時は週1回ほど母に会うときにも気づかない程度のむくみでした。
上半身のむくみは、明らかにそれとわかる、顕著なむくみは感じられませんでしたが、そのとき既に下半身のむくみは相当なものになっていたのです。
母は常にパンツスタイルに、長めのチュニック丈を着ているので下半身が目立つ服装ではなく、周りは私を含め誰も変化に気づきませんでした。
私も一緒にいて、少し歩くのが遅いかな、とか、歩いていて息が切れてしまうことが多くなったかな、という程度で年齢も年齢だから、仕方がないのかなと思うくらいでした。

足のむくみ

ですが、実際は下半身がパンパンにむくんでしまって、痛くてしゃがむこともできなかったのです。
着替えるときにも、お風呂に入るときにも、しゃがまないようにしながら、無理をしてなんとか毎日を過ごすことが当たり前になっていたのです。
そんな無理をしていることなどは、母は誰にも言わず、毎日出勤し続けていたなんて、今思い返してみても恐ろしくなります。
なぜ、そこまで我慢してしまったのか?なぜ、気づいてあげられなかったのか?
家族とは言え、一緒に住んでいなければ体調の変化にも気づけないなんて、本当に情けない話で、今もその時のことはとても後悔しています。
しばらくは朝になるとむくみが少し軽くなったような気がしていたので、そのまま症状を放置していた母も、徐々に我慢ができないくらいのむくみと、同時に腹部に違和感を覚えるようになって、はじめて私に病院に連れて行って欲しいと自分から連絡してくれました。
むくみも酷く、子宮が降りてきているような腹部の違和感があるという話しを聞き、子宮がんなどの可能性もあると思い婦人科専門の病院に行きました。
その病院は母が出産した病院でもあり、昔からある地元で有名な産婦人科医院です。
そこで診察して頂いたときに、まず問診をして体の浮腫が明らかであることと、腹水が溜まっていることが判明しました。
血液検査をして、また結果が出る1週間後に来て下さいと言われ、後日再度訪ねました。
血液検査の結果では、がんなどの異常は見られず、多少の炎症がある程度ということで炎症を抑える薬を頂いて、また1週間後に通院することになりました。
母も子宮がんではないかと不安に思っていたらしく、診断に安心していましたが、むくみは一向に改善しません。
1週間後の診察の際に、むくみも改善せず、腹水がかなり溜まっていることで、担当の医師から別の病気の可能性を指摘され、婦人科ではなく総合内科のある病院の紹介状を書いてもらうことになりました。
婦人科で行える血液検査では、異常がないということは判明しました。

総合内科受診で2度目の血液検査

 

紹介状をもとに、すぐ病院へ電話して、翌日すぐ病院へ行きました。
祖母も通院している病院の総合内科でしたので、さほど恐怖心もなく診察に臨むことができました。
やはり病院に行くのは精神的にも辛いことですので、かかりつけの病院、慣れた病院を決めておくことはとても大事なことだと思います。
問診で、むくみの状態が酷いことに担当医師も驚いていました。
その時点で、母は下半身のむくみはもちろん、動悸・息切れもあり、見るからに辛そうな状態となっていました。
レントゲン撮影と血液検査をすぐ受けて、1時間後くらいにまた診察室へ案内されました。
病院や受診する科によって、血液検査の内容や、検査結果の出る時間も違うことは、その時にはじめて知りました。
最初に行った婦人科専門の病院では、血液検査の結果は1週間後にしかわかりませんでした。
病院によっては血液検査を外部の専門業者に委託しているところもあり、結果が1週間前後になる場合もあるのだそうです。
実際に受診してみないとわからない事でしたので、やっぱりきちんと調べて病院を選ぶべきだと勉強になりました。
やはり今の医療の実情だと、まずは血液検査が重要な検査項目だと思われます。
レントゲン等の他の検査結果と見合わせて、血液の成分を分析し、あらゆる病気の可能性を調べることで診断がなされるのです。
血液検査から全てがはじまると言っても良いくらい、重要な検査となります。
母が受診した総合内科のある病院は、総合病院で血液検査を常時、専門に行う部門があります。
各科で血液検査が必要と診断された患者は、カルテを提出し、番号順に呼ばれ、次々に効率よく採血してもらうのです。
採血する看護師も熟練の方や、上手な方が多く、しっかりとカルテで氏名を確認し、誤認のないようにシステム化されているので安心でした。

採血やレントゲン等が終わると、各科の診察室フロアに戻り、結果が出るまで40分〜1時間待ちます。
結果が出ると、再度診察室へ呼ばれ、医師から説明があるという流れです。
母の具合も悪そうだったので、また1週間も待たされたらどうしようと思っていた私も、今日中にしかも1時間くらい待てば結果がわかると聞いて、とても安心しました。
結果は、急性心不全。すぐに入院でした。
これには母も私も驚き、自分達の無知さ、思い込みの怖さを思い知りました。
元々、母は心臓が悪かったのですが、子供の頃(小学生)に手術を受け、無事成功し、二人の子供(私と妹)を普通分娩で出産しています。
今まで特に大病をすることもなく、50年間過ごしてきたのです。
それが、やはり年齢を重ねたことと、日頃の無理がたたって、心臓に負担をかけ、結果、血流が滞り体の浮腫という症状に表れたのです。
祖父も心臓が悪く、ペースメーカーを入れる前に脳溢血で倒れ、現在は半身不随になっています。
母も、もう少し病院に行くのが遅れたら、祖父と同じようになっていたかも知れません。
祖父は一命を取り留め、半身不随ではありますが話すことはできますし、今は笑顔も見せるほどに回復しています。
ですが、亡くなっていても不思議ではない状態から、奇跡的に助かったことを思えば、母も同じように倒れたときに助かったかどうかはわかりません。
急性心不全はレントゲンによって、心臓が肥大していることがわかったことで判明しました。
でも、血液検査によって血小板の減少も判明、入院中に循環器内科と平行して血液・腫瘍内科の医師にも診察してもらい、詳しく調べることになりました。
レントゲンだけではわからなかった、血液検査をしたからこそ、思いもよらなかった病気が見つかったのです。

入院中の血液検査で難病が判明

足のむくみ

急性心不全で循環器内科に入院することになった母。
突然のことで驚きはあったものの、入院することで安心したのか、顔色も随分と良くなりました。
食事は、普通食でしたし、特に制限もありませんでした。
もちろん病院食ですから、塩分は控えめになっています。
むくみや腹水を排出する為に、利尿剤を投与されてからは驚くほどの量が排出され、むくみも解消されてきました。
下半身だけでなく、顔もひとまわりくらい小さくなり、相当むくんでいたことがはっきりわかりました。
母も「ヒザが曲げられるようになった」と嬉しそうにしていました。
ヒザが曲げられる、なんてことは普通のことですし、今まで曲げられなかった事の方が異常です。
でも、そんな異常な状態をずっとひとりで我慢していた母。
私は申し訳ない気持ちでいっぱいで、胸が詰まりました。

 

心臓の機能は確かに低下しているものの、現状では手術は必要ないとのことでした。
循環器内科の担当医師の診断は、むくみが解消すれば退院できるし、その後も尿を出やすくして、むくまないようにする薬を毎日飲んで1ヶ月に1回定期的に通院することで様子をみましょうとのことでした。

 

ただ問題なのは、血液検査でわかった血小板の減少でした。
今まで血が止まりにくい、口内炎、青あざができて治りにくいなどの症状がよく見られたかどうかを聞かれましたが、思い当たる節はありません。
母は子供の頃の手術と出産以外は入院したことも、大怪我をしたこともありません。

 

総菜の仕事中に、包丁で指を切った程度の事はありましたが、出血が止まらないなどということもありませんでした。
入院中に、数回、血液検査をした上で、更に詳しく調べるために骨髄検査をすることになりました。

 

結果、血液・腫瘍内科の医師の判断は、

特発性血小板減少性紫斑病(とくはつせい けっしょうばん げんしょうせい しはんびょう)
IDIOPATHIC THROMBOCYTOPENIC PURPURA 通称ITPと呼ばれる難病指定の病気です。
母はもちろん、私も今までに聞いたことがない病名です。
ITPには急性と慢性があり、母は急性のITPと診断されました。
血液検査により著しい血小板の減少が認められ、ITPの疑いがあると診断した担当医師が、より診断を確実にするために骨髄検査を行った上で判明したのです。

 

母の場合は、医師が指摘するようなITPの自覚症状はなかったですし、しかもむくみという症状が出て入院し、血液検査を行わなければ、この病気が早期にみつかることはなかったと思います。
ITPとは難病に指定されているとおり、原因がはっきり断定されているものではなく、治療方法も難しい病気です。
ですが、現在は薬も何種類かのタイプがありますし、全く治らない病気でもありません。

 

自分に合う薬があれば、ある程度安定した血小板数値を保つことが可能で、普通の生活を続けることはできます。

 

ただ自分がITPであるということを認識しているか、そうでないかによってリスクは全く違ってきます。
母の場合はITPであるという診断はされましたが、即座に治療をするレベルではないとの担当医師の見解でした。

 

つまり、現時点では薬の服用もなく、定期的な血液検査で血小板の数値を確認するということで1ヶ月程の入院を経て、無事に退院することができました。
母も長年勤めてきた職を失うことは、大変なショックだったとは思いますが、心臓への負担や難病が見つかったということもあり、パートは辞めることになりました。
辞めるときにも、勤務先の同僚から散々な仕打ちを受けることになり、母にとっては病気以上に辛いものであったと思います。

 

でも家族としては、元気で少しでも長生きして欲しいですし、辞めて本当に良かったと思っています。
正直、私はそんなに我慢しないで、もっと早く言ってくれれば良かったのに、とも思いました。

 

でも、みんなに迷惑を掛けたくなくて、仕事でも迷惑を掛けたくなくて、必死で頑張っていた母を責める事はできません。
母のように、自分の事は後回し、つい無理をしてしまう性格の人はたくさんいるのではないかと思います。
家族だからこそ、大事に思っているからこそ、言えない、相談できないことがあるものなのです。

 

母は、それでも私に勇気を出して自分の状態を伝えることを選んでくれました。

 

症状を自分たちなりに判断して、最初に行った婦人科は結果的に間違っていたわけですが、そこで血液検査を受けなければ、他の病気の可能性を疑わず、もっと長い期間放置していたことも考えられます。

 

その後、1年くらい経ってから少し手をぶつけた所の青あざがしばらく消えないという症状が突然出てきました。
ちょうど定期的な診察のタイミングだったので血液検査をした結果、脳溢血などが起こり命の危険があるというレベルまで血小板が減少していることが判明し、即日入院となりました。

 

その時も口内炎などの症状はなく、たまたま手をぶつけて青あざができたことによって血小板がかなり減少していることがわかったのです。しかも定期的な血液検査のタイミングで早く判明し、大事に至りませんでした。
最初に病名が判明した日から、まる1年くらい経ってからの入院です。

 

むくみなども見られず、ごく普通に生活をして、ITPのことを忘れかけそうな頃の出来事でした。
すぐに入院したことにより、血小板の数値を管理し、効果のある薬を見極める為、段階的に投薬していく治療法を受けることができました。
定期的な診察、血液検査を受けることで、重篤な状態に陥ることが避けられたのだと思います。

 

ITPは難病であるため、母の場合も投薬で一時的に血小板が増加するものの、なかなか安定するには時間がかかり、最終的には脾臓摘出という話しも出ていました。
しかし、新薬を試したところ、血小板増加と一定の数値を維持することができ、2ヶ月程で退院することができました。

 

現在も定期的な診察、血液検査も2ヶ月に1回くらいのペースで行っています。
大事な命を救うため、見た目だけではわからない体の異常を見逃さないためにも、血液検査を行う事の重要さを思い知らされることになった出来事でした。